速度標語と対応する BPM
楽譜の左上にあるイタリア語は、速さと同じくらい「性格」を語っています。Adagio は「遅く」ではなく「ゆったりと」、Allegro は「速く」ではなく「陽気に」。それでも各標語には定着した BPM の範囲があります。
標語は速さだけでなく性格を語る
同じ BPM でも、二つの曲はまったく違って響きます。Grave と Largo は数字の上では重なりますが、Grave は重く暗く、Largo は広く open です。標語を見たら、まず音楽の気分を、次にメトロノームの数字を考えてください。
修飾語が範囲をずらす
添えられる語が細かく調整します。molto(とても)、poco(少し)、non troppo(〜すぎない)、assai(かなり)、ma non troppo(ただし度を越さず)。Allegro ma non troppo はふつうの Allegro より 10〜15 BPM 控えめになるのが普通です。さらに変化を示す語もあります——accelerando は速く、ritardando は遅く、a tempo はもとの速さへ。
メトロノーム記号は標語に優先する
作曲者が ♩=92 のように書いていれば、その数字がイタリア語より優先します。この記号が広まったのはベートーヴェン以降で、それ以前の音楽ではテンポは時代様式と音価から読み取ります。アプリのプリセット一覧は名前と範囲を組にしてあるので、数字を暗記する必要はありません。
| 標語 | BPM の範囲 | 性格 |
|---|---|---|
| Grave | 20-40 | きわめて遅く、荘重に |
| Largo | 40-60 | 幅広く、ゆったりと |
| Adagio | 66-76 | 落ち着いて、穏やかに |
| Andante | 76-108 | 歩く速さで |
| Moderato | 108-120 | 中くらいの速さで |
| Allegro | 120-156 | 陽気に、生き生きと |
| Vivace | 156-176 | 活発に |
| Presto | 168-200 | 非常に速く |
| Prestissimo | 200+ | できる限り速く |
よくある質問
Andante と Adagio はどちらが速い?
Andante です。Adagio がおよそ 66〜76 BPM、Andante が 76〜108 BPM。Andante は文字どおり「歩いている」という意味で、まさにその歩調を指します。
Moderato は何 BPM?
ふつう 108〜120 BPM です。Andante と Allegro のちょうど中間で、急がず、しかし止まらない速さです。
♩=120 とは?
4 分音符が 1 分間に 120 回進むという意味です。メトロノームを 120 BPM にすれば 1 クリックが 4 分音符になります。♪=120 と書かれていれば、数える単位は 8 分音符です。
PrestoとPrestissimoの違いは?
Prestoはとても速いテンポで、およそ168〜200 BPM。Prestissimoはさらにその先、通常200 BPMを超え、演奏可能な範囲で最速の速さを作曲者が求めていることを意味します。両者の境界は厳密ではなく、譜面の文脈と技術的な難度が最終的な判断材料になります。
1曲の中でテンポは変わりますか?
はい。ほとんどの曲は最初から最後まで一定のBPMで進むわけではありません。accelerando(だんだん速く)やritardando(だんだん遅く)は徐々にテンポを動かし、a tempoは元の速さに戻ることを示します。メトロノームを使うなら、まず各部分をそれぞれの安定したテンポで覚え、そのあとで移行部分をつなげるのが確実です。